医療現場がカテーテルの早期抜去にこだわる最大の理由は、患者の快適性だけではない。「カテーテル関連尿路感染症(CAUTI: Catheter-Associated Urinary Tract Infection)」の予防が極めて重要な課題だからだ。
カテーテルを留置している時間が1日延びるごとに、感染リスクは数パーセントずつ確実に上昇する。特に女性は解剖学的な理由から尿路感染症を発症しやすく、発熱や術後リカバリーの遅れに直結する。
現在、周術期管理プロトコル(ERAS: 術後回復強化プログラム)に基づき、手術当日の夜、あるいは翌朝一番での抜去が標準化されている。歩行が可能になったらすぐに管を外し、自力でトイレに行ってもらう。この「早期離床」こそが、感染症を防ぎ、腸管の動きを良くし、結果として退院を早める最も効果的な医療アプローチなのだ。