ネット上のコミュニティやSNS(X・5ちゃんねる等)の議論において、アニ・レオンハートというキャラクターは時に激しい賛否両論の対象となってきました。「調査兵団の精鋭をヨーヨーのように弄んで虐殺した冷酷な敵」「最後に仲間面をして生き残るのは納得がいかない」という厳しい批判の声は、連載終了から数年が経過した現在でも散見されます。
しかし、原作漫画およびアニメーションの現場描写を冷静に検証すると、表層的な「冷酷さ」と彼女の内面の実態には大きな乖離があることが分かります。
彼女が女型の巨人として見せた残虐な振る舞いは、過酷な任務を最短で遂行し、自らの精神を麻痺させるための防衛反応に他なりませんでした。もし敵に同情を抱けば、自分自身が任務に押しつぶされて死ぬ。その極限状態の中で彼女が選んだのが、あの仮面のような無表情でした。実際、第104期生の仲間を前にした際、彼女はアルミンを殺すことができず、コニー・スプリンガーの命を救い、エレンを奪還する際にも激しい涙を流しています。
読者の間で見解が分かれる要因は、彼女の「等身大のエゴイズム」にあります。世界を救う大義や民族の誇りではなく、ただ「一人の父親の元に帰りたい」という極めて利己的で小さな願いのために他者を犠牲にした点こそが、ある読者には許しがたい罪に見え、別の読者にはあまりにも人間臭く切実な動機として胸を打つのです。