「お城」の真髄は、ドアを一歩跨いだ内側にこそ凝縮されています。お城みたいな家の内装デザインにおいて不可欠なのが、壁と天井の境界を美しく彩る「クラウンモールディング(廻り縁)」や腰壁の「チェアレール」です。熟練のフレーマーによって何層にも重ねられた陰影のあるモールディング装飾は、空間に圧倒的な奥行きをもたらします。
天井の中央部には繊細な意匠が施された「メダリオン」が据えられ、そこから煌びやかなクリスタルシャンデリアが吊り下げられます。床材には無垢のオーク材を用いた「ヘリンボーン(魚の骨状)貼り」や、ボテチーノクラシコなどの輸入天然大理石が惜しみなく敷き詰められます。
さらに日常の水回り設備にも徹底した美意識が貫かれます。浴室には映画さながらの「猫足バスタブ(アクリル製または鋳物ホーロー製)」が配置され、真鍮(アンティークブラス)のクロスハンドル水栓が光を反射します。洗面所には陶器製のペデスタルシンク(脚付き洗面台)が採用され、既製品のシステム洗面台に見られるプラスチックの生活感を完全に排除する徹底ぶりです。