トカラ列島でなぜこれほど頻繁に地震が起きるのか、その地質学的理由を理解することは、噂の真偽を見極める上で不可欠です。
トカラ列島周辺の海底では、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む琉球海溝の背後で、地殻が東西に引っ張られて裂け目が広がる「沖縄トラフ」と呼ばれる地殻拡大軸が発達しています。この地域では地殻が引き裂かれる力(張力場)が働いており、多数の正断層が形成されています。さらに、海底火山活動や地下深部からのマグマ・熱水など流体の移動が活発であるため、プレート同士が強く固着して一気に滑るタイプとは異なる、小規模な破壊が連続する群発地震が周期的に繰り返されます。
すなわち、トカラ列島の地震は局所的な地殻の引っ張り現象と火山・熱水活動に起因するものであり、日本列島全体を揺るがす広域応力の一斉解放とは発生メカニズムそのものが異なります。