「ただ焼くだけ」といっても、火の入れ方ひとつで仕上がりは劇的に変わります。パサつきを防ぎ、肉汁を閉じ込める鶏もも肉ジューシーに焼くコツと、チキンステーキ皮パリパリ焼き方には、調理科学に基づいた3つの明確なルールが存在します。
第1の鉄則は、冷たいフライパンに油を引かずに皮目を下にして並べる「コールドスタート」です。急激な加熱を避け、低温から徐々に温度を上げることで、皮と身の間にある余分な皮下脂肪が溶け出し、自身の脂でじっくりと皮が揚げ焼き状態になります。これにより、焦げ付くことなく均一な黄金色のクリスピー感が生まれます。
第2の鉄則は、「皮面8割・身2割」の加熱バランスを徹底することです。フライパンに肉を置いた後、ヘラなどで上から軽く押さえつけながら中弱火でじっくり加熱します。全体の8割程度まで白く火が通るまで決して裏返さず、じっくりと皮側の水分を飛ばすことが、冷めてもパリパリ感を維持する秘訣です。
第3の鉄則は、フライパンに滲み出た余分な脂をキッチンペーパーで徹底的に拭き取ることです。鶏肉から出る脂には独特の臭みが含まれており、これを放置すると皮が脂を吸ってベチャつく原因になります。徹底して脂を取り除いた後に裏返し、残りの2割にサッと火を通すだけで、中は驚くほど柔らかくジューシーに仕上がります。