アーミッシュ出身の有名人たちが語る脱退の真相と現在

アーミッシュ出身の有名人たちが語る脱退の真相と現在

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徹底した禁欲主義と質素な生活を美徳とするアーミッシュの世界から、真逆の象徴ともいえるハイファッション界やテレビ界へと羽ばたいた人物として、世界中で最も知られているのがケイト・ストルツ(Kate Stoltz)です。

ペンシルベニア州ランカスター郡の敬虔なアーミッシュ家庭で育った彼女は、衣服の自作や農作業に明け暮れる日々を送っていました。転機となったのは、2012年に米ケーブル局TLCで放送され社会現象となったリアリティ番組『Breaking Amish(ブレイキング・アーミッシュ)』への出演です。掟を破って外の世界へ出た若者たちを追う同番組で、ケイトは類まれな美貌と強い意志を見せ、全米の視聴者を釘付けにしました。

番組出演後、大手モデル事務所と契約した彼女は男性誌『MAXIM』などで大胆なグラビアを披露し、「元アーミッシュのランジェリーモデル」として一大旋風を巻き起こします。しかし、彼女の真骨頂は単なる消費されるタレントで終わらなかった点にあります。

幼少期からアーミッシュの生活で培った卓越した裁縫技術を武器に、ケイトはニューヨークの名門ファッション工科大学(FIT)へ進学。学業において優秀な成績を収めて卒業した後は、自身の名を冠したプレタポルテブランド「Kate Stoltz NYC」を立ち上げました。さらに、発展途上国の顔面奇形や口唇口蓋裂に苦しむ子どもたちへ無償の医療支援を行う国際NPO「Developing Faces」のCEO兼プレジデントに就任。デザイナーおよび慈善事業のリーダーとして揺るぎない社会的地位を築き上げています。

一方で、同番組に出演した他のメンバーたちの足跡は明暗が分かれています。リアリティ番組の続編『Return to Amish』に出演し続けたジェレマイア・レイバーやセリーナ・ミラーなどは、外の世界の自由と共同体の絆との間で揺れ動き、アルコール問題や法的なトラブル、生活困窮に直面する様子も赤裸々に報じられました。閉鎖社会から資本主義の荒波へと放り出された脱退者たちの現実は、決して華やかな成功談ばかりではありません。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。