喉の特効薬として古くから民間療法でも親しまれてきた「はちみつレモン」と「生姜湯」。SNSや大手掲示板、Q&Aサイトでは冬から春先にかけてこれらの飲料に関する言及が急増しますが、その感想は真っ二つに分かれています。
「風邪の引き始めにコンビニで買ったホット生姜湯を飲んだら、体が芯から温まって翌朝には喉の違和感が消えていた」という好意的な評価が並ぶ一方で、切実な声として目立つのが次のような体験談です。
「唾を飲み込むだけで激痛が走るレベルのときに『喉に良いはず』とはちみつレモンを一気に流し込んだら、患部に熱湯を注がれたような激痛に襲われて後悔した」
「生姜湯のピリピリ感が今の腫れ上がった喉には強すぎて、咳が止まらなくなってしまった」
この極端な評判の乖離が生じる理由は、病期の違いにあります。はちみつに含まれるグルコン酸や過酸化水素には確かな抗菌作用があり、高い粘度によって粘膜表面に保護膜(バリア)を作る効果があります。また、生姜に含まれるジンゲロールやショウガオールは末梢血管を拡張し、免疫機能を底上げする力を持ちます。これらは「乾燥して少しイガイガする」「声枯れが気になり始めた」という潜伏期・初期段階においては劇的な威力を発揮します。
しかし、ウイルス感染が本格化し、咽頭後壁が真っ赤に発赤・充血している急性炎症期においては、生姜のスパイシーな辛味成分やレモンの柑橘酸は純然たる「化学的刺激物」として作用します。傷口に刺激物質が触れることで神経終末が過敏に反応し、痛みが増幅するだけでなく、咳反射を誘発して粘膜の微細血管をさらに傷つけてしまうのです。ネット上の「効いた」「悪化した」という正反対のレビューは、飲んだタイミングが「初期」か「ピーク時」かの差によって生じています。