カーポートの確認申請を行う際、最大の障壁として立ちはだかるのが「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)」の制限である。都市計画によって地域ごとに「50%」「60%」といった上限が厳密に定められているが、近年の分譲住宅は敷地目いっぱいに延床面積を確保して設計されているケースが極めて多い。
例えば、敷地100平米で建ぺい率上限が60%の土地に、建築面積55平米の母屋が建っているとする。残された許容量はわずか5平米。ここに約14平米の1台用カーポートを設置すれば、敷地全体の建築面積は69平米となり、建ぺい率オーバー(建ぺい率69%)で明確な違法建築となってしまう。
ただし、救済策が皆無なわけではない。建築基準法施行令第2条第1項第2号の規定に基づき、一定の要件を満たすカーポートには「高い開放性を有する建築物の建築面積の不算入措置」という緩和特例が認められている。具体的には、以下の条件をクリアすれば、柱から1m後退した線までの面積を建築面積から除外できる。
・外壁のない部分が連続して4m以上あること
・柱の間隔が2m以上あること
・天井の高さが2.1m以上あること
・階数が1階であること
この緩和措置を適用することで、建ぺい率の算定対象面積を実質的に半分程度まで圧縮できる場合がある。しかし、この特例計算を緻密に行うためには一級建築士などの専門知識が不可欠であり、素人判断での自己設置は危険極まりない。
さらに深刻なのが、「違法を承知で建ててしまい、役所から指摘されたので後から申請(追認)したい」というケースだ。結論から言えば、工事着工・完了後の後から申請は制度上不可能である。建築確認とは文字通り「着工前に設計が法律に適合しているかを確認する」手続きだからだ。事後に適法化を図るには、「建築基準法第12条第5項に基づく報告」を行い、基礎の配筋や地耐力、アンカーボルトの仕様を破壊検査などで立証するか、一度解体して再建築するしかなく、当初の申請費用の数倍から数十倍に及ぶ莫大な金銭的打撃を受けることになる。