長年にわたり美浦関係者の悲願であった坂路コースの大規模改修工事。最大高低差を従来の18メートルから栗東を上回る33メートルへと大幅に掘り下げたことで、美浦所属馬の心肺機能強化と後肢のパワーアップは飛躍的な進化を遂げました。
改修前の美浦坂路は勾配が緩く、栗東トレセンのような「登坂だけで極限まで負荷をかける調教」が構造上困難でした。しかし、新坂路の本格稼働後はラスト1ハロンでの失速が激減し、直線の急坂を力強く駆け上がるタフな競走馬が続出しています。さらに自動計測システムの刷新により、ミリ秒単位でのラップデータ分析が可能となったことも、現場の調教メニュー構築に劇的な変革をもたらしました。
現場の調教助手からも「以前はウッドチップコース(Wコース)中心の仕上げに頼らざるを得なかったが、いまは坂路で基礎体力を限界まで引き上げた上でコース追いを行える」との声が上がっており、調教メニューのバリエーションが格段に広がった事実が窺えます。