彼の戦闘キャリアにおいて、最も輝かしい、そして最も凄惨だった戦いといえば、十刃(エスパーダ)のNo.2であるバラガン・ルイゼンバーンとの死闘だろう。触れるものすべてを老いさせ、朽ち果てさせるという絶対的な死の能力「死の息吹(レスピラ)」に対し、真っ向勝負は自殺行為に等しかった。
そこで彼が取った戦術は、自らの右腕を犠牲にし、その「老い」の力を結界で包み込んでバラガンの体内に転送するという、狂気と冷静さが同居した奇策だった。この一撃こそが、神のごとき力を持つ「虚圏の神」を葬り去る決定打となったのだ。視聴者はこの瞬間、彼の温厚な風貌の裏に隠された、冷徹なまでの戦術眼と覚悟を知ることになる。