世間が彼に対して抱く「イケメン」という言葉の解釈には、明らかな二重構造が存在します。その発端となった象徴的な出来事が、女性ファッション誌『ViVi』の名物企画「国宝級イケメンランキング」における2017年上半期・下半期の連続首位獲得、そして殿堂入りでした。同ランキングで歴代トップクラスの得票数を叩き出した事実は、彼が客観的な数字の上でもトップアイコンとして認知されたことを物語っています。
ところが、この快挙と並行してネット掲示板や検索サジェストには「イケメン扱い 違和感」「イケメンじゃない」といったフレーズが頻出するようになりました。この現象の背景には、日本における「美男子」の定義の揺らぎがあります。いわゆる少女漫画から飛び出してきたような左右対称の甘いマスク、端正な二重まぶた、色白の肌といった「記号的な正統派イケメン」を基準に置く層から見れば、彼の野性味や独特の凹凸を持つフェイスラインは、定義から外れて映るのです。
一方で、彼を熱狂的に支持する層は、単なるパーツの配置ではなく「表情の陰影」「眼光の鋭さ」「身体から放たれる引力」を高く評価しています。つまり、菅田将暉をめぐる議論は「顔面のパーツ単体を見るか」それとも「彼が纏う生命力や文脈を含めて見るか」という、美意識の対立構造そのものと言えます。