作中で描かれるラビットは、常に何かに追われ、神経をとがらせている印象が強く残ります。ネット上の検索サジェストでも「うざい」「嫌われ者」「性格が悪い」といったワードが並ぶことがありますが、その行動の背景を冷静に紐解くと、彼が怒るには100パーセント正当な理由が存在します。
最大の要因は、彼が心血を注いでいる「野菜畑」への被害です。ラビットは毎朝早くから土を耕し、愛情を込めてニンジンやキャベツを育てています。ところが、ティガーが「トビウオのように飛び跳ねるのが得意」と叫びながら畑を踏み荒らし、収穫間際の作物をめちゃくちゃにしてしまう展開は日常茶飯事です。
さらに、主人公のプーさんに対しても強いストレスを抱えています。有名なエピソード「プーさんとはちみつ」では、ラビットの家に突然やってきたプーさんが備蓄のはちみつや練乳を平らげた挙句、お腹が膨らみすぎて玄関の穴にすっぽりと挟まって抜けなくなってしまいます。ラビットは玄関を塞がれたまま長期間の生活を強いられ、プーさんの下半身に絵を飾ったりタオル掛けにしたりして耐え忍ぶ羽目になりました。
平穏な暮らしを愛し、計画通りに物事を進めたい几帳面な性格だからこそ、予測不能なトラブルメーカーたちに生活を脅かされれば怒鳴り散らしたくもなります。ラビットの怒りは理不尽な八つ当たりではなく、自由すぎる森の仲間たちに対するごく自然な防衛反応なのです。