ネット上の回顧記事などでは、おニャン子クラブ出身という肩書きから「事務所によって作られた清純派アイドルだったのではないか」という声を見かけることがあります。しかし、実際の活動実態や当時のカルチャーシーンを丹念に検証すると、その見方は本質から外れていることが分かります。
彼女は10代後半からすでに優れた音楽的センスや独自のカルチャー感覚を持っていました。1990年代初頭のいわゆる「渋谷系ブーム」の黎明期には、フリッパーズ・ギター(小山田圭吾・小沢健二)や大浪史男氏ら新進気鋭のクリエイターから楽曲提供を受け、自身の音楽世界をいち早くアップデートしていました。また、雑誌『Olive』の愛読者でもあり、流行をただ追うのではなく、自分が本当に心地よいと感じる本、雑貨、旅を愛する「オリーブ少女」としての素顔を持っていたのです。
つまり、渡辺満里奈さんの清楚さや清潔感は、上から押し付けられたキャラクターではなく、彼女自身が持つ美意識とナチュラルなライフスタイルそのものでした。だからこそ、アイドルブームの終焉後も失速することなく、カルチャーに強い独自のポジションを確立できたといえます。