ぶりの照り焼きで最もありがちな失敗が「独特の生臭さが鼻につく」という点です。鮮度の良い切り身を選んでも、魚の表面ににじみ出たドリップや酸化した脂をそのままにして焼いてしまえば、嫌な臭みがタレ全体に移ってしまいます。これを取り除くための下処理は、わずか5分程度で完了する必須ステップです。
最初に行うべきは「塩を振って水分を抜く」作業です。ぶりの切り身の両面にまんべんなく塩を少量振り、室温で10分ほど置きます。浸透圧の働きによって、臭みの原因となる余分な水分がじわじわと表面に浮き出てきます。これをキッチンペーパーで優しく、徹底的に拭き取るだけでも仕上がりのクリアさが段違いになります。
さらにプロ級の仕上がりを目指すなら、「霜降り(熱湯かけ)」を組み合わせるのが理想的です。皮目や血合い部分にサッと熱湯を回しかけ、表面がうっすら白くなったらすぐに冷水に取ってぬめりや残ったウロコを優しく洗い流します。この丁寧なプロセスを踏むことで、魚特有のクセを根本から断ち切ることができます。