さるぼぼの発祥は、雪深い冬が長く続く岐阜県の飛騨高山地方にあります。飛騨の方言で「ぼぼ」は「赤ん坊」を指し、さるぼぼとは文字通り「猿の赤ん坊」を意味しています。
その歴史は奈良時代から平安時代に貴族の間で流行した「這子(ほうこ)」や「天児(あまがつ)」といった厄除けの人形にルーツを持つと伝えられています。江戸時代以降、飛騨の農村部において、厳しい冬の間に祖母や母親が余った端切れ布を縫い合わせ、娘や孫の健康と幸福を祈って手作りしたのが庶民への定着の始まりです。
猿(さる)という言葉には、古来より以下のような縁起の良い語呂合わせが込められています。
・「災いが去る(さる)」= 厄除け・魔除けの祈願
・「猿(えん)= 縁」= 家内円満、良縁・縁結びの祈願
・「猿のお産は軽い」= 安産・子宝の祈願
単なる観光土産にとどまらず、家族の無病息災や幸せな家庭生活を願う母心から生まれた、温かい祈りの結晶と言えます。