歯茎下がりが治った歯磨き粉の真相と歯科医が明かす再生の現実

歯茎下がりが治った歯磨き粉の真相と歯科医が明かす再生の現実

歯茎下がりが治った歯磨き粉の真相と歯科医が明かす再生の現実の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

なぜ一度下がってしまった歯茎は、皮膚の擦り傷のように自然と元に戻らないのでしょうか。その決定的な理由は、歯周組織の解剖学的構造にあります。

歯を支える構造は、外側の「歯肉」だけでなく、内側の「歯槽骨(しそうこつ)」「歯根膜(しこんまく)」「セメント質」という4つの組織で構成されています。歯茎が下がる現象(歯肉退縮)の多くは、土台である歯槽骨が溶けて低くなることで、上に乗っている歯肉も一緒に下がってしまう連動現象です。骨という支持構造を失った状態で、歯肉の粘膜だけが単独で上方に盛り上がって定着することは生物学的に起こり得ません。

日本歯周病学会のガイドラインでも示されている通り、歯茎が下がって戻らない理由の二大要因は「歯周病による骨吸収」と「過度なブラッシング圧による物理的摩耗(オーバーブラッシング)」です。

もし、歯根が著しく露出し、審美障害や激しい知覚過敏が生じている場合には、日用品のケアではなく医療機関での歯周病による歯肉再生治療が適応となります。

歯科医療の現場では、歯周ポケット内部を清掃した上で、細胞の増殖を促す成長因子製剤「リグロス(FGF-2製剤)」や「エムドゲイン(歯周組織再生用材料)」を塗布し、骨と歯根膜の再生を促す手術が標準化されています。また、見た目の回復を最優先とする場合は、上顎の口蓋から結合組織を採取して露出部に移植する「結合組織移植術(CTG)」などの歯周形成外科手術が選択されます。これら医療処置とホームケアの境界線を正しく見極めることが不可欠です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。