冷蔵庫で寝かせすぎて酸味が際立った酸っぱくなった白菜の漬物を口にして、傷んでしまったと勘違いする人は少なくありません。しかし、この酸味の正体は腐敗ではなく、白菜に付着した乳酸菌が糖分を分解して生成した天然の乳酸発酵によるものです。本場・中国の伝統的な発酵漬物「酸菜(スワンツァイ)」や韓国の熟成キムチと同じ原理であり、発酵が進むにつれてアミノ酸(グルタミン酸)や有機酸が大幅に増加しています。
そのまま生で食べると塩気と酸味が尖って感じられますが、油で炒めたりスープで煮込んだりして熱を加えることで、角のある酸味がまろやかなコクへと劇的に変化します。乳酸が持つ爽やかな酸味が脂っこさを打ち消し、凝縮されたうま味が料理全体のベースを底上げしてくれるため、白菜古漬けアレンジは中華料理や和食の現場でも隠し味として高く評価されています。