さつまっこの実態を深く理解する上で欠かせないのが、ブランドを牽引する旗艦店とも言うべき名店舗の存在です。なかでも「さつまっこ 平和島店」と「さつまっこ 馬込店」は、ファンの間でも特別な熱量を持って語られます。
第一京浜(国道15号)沿いに位置する平和島店は、大森・平和島エリアの物流拠点や羽田空港方面を行き交うドライバー、近隣の工場やオフィスで働く人々にとってのオアシスです。深夜でも煌々と輝く赤い看板は、過酷な夜間業務に従事する人々の胃袋を支え続けてきました。営業時間に関しても、仕込みの都合等による変動はあるものの、深夜から未明帯にかけて営業しており、まさに「眠らない東京の給油所」としての役割を果たしています。
一方、環七通り沿いの要所に構える馬込店は、昭和から平成の環七ラーメンブームの熱気を今に伝える情緒が魅力です。カウンター越しに伝わる平ザルの湯切り音、大鍋から立ち上る豚骨のアロマ、そして手際よく盛り付けられる山盛りのキャベツ。現場の空気感そのものが調味料となり、長年通い詰めるベテラン客から20代の若者まで、幅広い客層で賑わいを見せています。店舗ごとにスープの煮詰まり具合や仕上がりに微細なグラデーションがある点も、画一化された大手チェーンにはない情緒として支持されています。