ここで一つ、冷静に指摘しておきたい。ネット上で拡散される「風間トオルの昔の写真」の多くは、1980年代~90年代のスチール写真やドラマのワンシーンを切り取ったものだ。つまり、当時の映像作品における“演出された姿”であり、素の風間トオルではない。人間誰しも、20代の顔と60代の顔が同じはずはなく、その差異をもって「衝撃の劣化」のように語る風潮には、いささか問題がある。
むしろ、メディアが果たすべきは、写真の表層だけではなく、その間に存在した時間・仕事・苦悩を伝えることだ。風間トオルは若い頃、借金を抱え、自己破産を経験した。人気絶頂期には、自らの私生活が週刊誌に書き立てられることもあった。それでも、彼は俳優を辞めなかった。現在の姿に「昔の面影がない」と言うのは簡単だが、その面影を削り取ったのは、他ならぬ芸能生活45年超の重みなのだ。この視点が抜け落ちると、単なる“昔はイケメンだった人の末路”という、薄っぺらい消費の仕方になってしまう。