足元の日本社会を観察すると、私たちは過去数十年にわたる「デフレと低金利の安定期」から完全に抜け出し、予測不能な新局面へ突入したことが分かります。いま国民生活を揺るがしているのは、「円安・物価高の長期化」「実質所得の伸び悩み」「急激な人口構成の歪み」という3つの連動した危機です。
日銀の金融政策正常化に伴いマイナス金利時代が終焉を迎えたものの、日米金利差や地政学リスクを背景とした為替のボラティリティは依然として高く、輸入エネルギーや原材料価格の高止まりが続いています。大企業を中心とした春闘での賃上げは定着しつつあるものの、中小企業や非正規雇用層への波及には依然として温度差があり、生活防衛意識は過去最高水準に達しています。
社会のあちこちで「これまで通りの暮らし」が成り立たなくなりつつある今、日本全体が抜本的な構造転換を迫られているのは明白な事実です。