血天井に潜む戦国悲劇と俵屋宗達の奇才!京都・養源院の真実

血天井に潜む戦国悲劇と俵屋宗達の奇才!京都・養源院の真実

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血天井の陰惨な空気を一変させるのが、江戸初期の奇才・俵屋宗達が手がけた杉戸絵や襖絵の数々だ。代表作である「白象図」や「唐獅子図」、そして「麒麟図」は、重要文化財に指定されている。ふっくらとした輪郭で描かれた象のどこかユーモラスな表情や、躍動感あふれる獅子の姿は、一見すると血天井の重苦しさとは対極にあるように思える。

しかし、美術史家の間では、この図像こそが死者たちの荒ぶる魂を鎮めるための「結界」であり「鎮魂の呪術」であったという見方が強い。宗達の大胆な構図と鮮やかな色彩は、無念の死を遂げた武士たちの亡霊を慰め、彼岸へと導くための祈りそのものだったのだ。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。