大斎原を訪れる参拝者が最も注意すべきルールが、「社叢(森)内部での写真・動画撮影の全面禁止」です。大鳥居の外側やあぜ道からの撮影は許可されていますが、鳥居をくぐり、木立に囲まれた石祠エリアへ足を踏み入れた瞬間から、すべてのカメラ・スマートフォンの使用が固く禁じられています。
神社関係者および熊野本宮大社の公式案内によると、この措置には明確な理由が存在します。大斎原の奥は観光施設ではなく、「神霊が鎮まる神聖不可侵の祭祀場(聖域)」だからです。かつて多くの命が失われた大水害の慰霊の地でもあり、参拝者が心を静め、神と一対一で対峙するための静寂を守る目的があります。
SNSの普及に伴い、映えスポットとして無断撮影を行う観光客が散見された時期もありましたが、現在は神職や地元ボランティアによる啓発と見守りが強化されています。「レンズ越しではなく、五感と心で祈りを捧げる」という神道本来の姿勢が、この撮影禁止ルールによって厳格に守られています。