ネット上の掲示板やSNSでは、フリーランスや退職者から「国保の納付書を見て目を疑った」「あまりに高すぎて生活が成り立たない」という悲痛な叫びが日常的に投稿されています。この国民健康保険料が高すぎる理由は、制度の根本的な財政基盤と国民健康保険料のシミュレーションと計算方法の特殊性に起因しています。
国民健康保険を運営しているのは各市区町村と都道府県です。加入者の構成を見ると、現役世代の会社員が多数を占める健康保険組合とは異なり、無職の高齢者や医療リスクの高い年金受給者、所得が不安定な非正規雇用者が多く集まる「セーフティネット」の役割を背負わされています。加入者1人あたりの平均所得が低いにもかかわらず、1人あたりの医療費水準が格段に高いため、現役で働く所得保有者に課される料率が構造的に引き上げられざるを得ないのです。
具体的な保険料の算出では、前年の総所得金額等から基礎控除(43万円)を差し引いた「算定基礎額」に対して各自治体が設定した料率をかける「所得割」に加え、所得の有無にかかわらず頭割りで課される「均等割」、さらには1世帯あたりいくらと設定される「平等割」が合算されます。さらに注意すべきは、世帯主にかかる国民健康保険料の軽減制度の詳細まとめに記載されている法定ルールです。国保の納付義務者は法律上「世帯主」と定められており、世帯主自身が社会保険に入っていても、家族の中に国保加入者がいれば世帯主宛てに合算請求が届く「擬制世帯主」の仕組みが存在します。
ただし、低所得世帯に対しては救済措置も用意されています。世帯全体の所得水準が国の定める基準を下回る場合、均等割額と平等割額が「7割・5割・2割」の3段階で自動的に減免される法定軽減制度が稼働します。また、倒産や解雇、雇い止めなどの非自発的失業によって職を失った人に対しては、前年の給与所得を30/100に圧縮して保険料を再計算する特例減免が設けられており、申請によって年数十万円の減額を受けることが可能です。