「洗わないと衛生的に不安」「残留農薬が付着しているのでは」という懸念を抱く消費者も少なくありません。しかし、現代の農業技術におけるきのこの生産体制を知れば、その不安が杞憂であることが理解できます。
日本国内で一般に流通しているしめじ、えのきたけ、エリンギ、まいたけ、しいたけなどの大部分は、「菌床栽培(きんしょうさいばい)」というハイテクな屋内空調施設で生産されています。培地には滅菌処理されたオガクズ、米ぬか、フスマ、水などが使用され、外部からの雑菌や害虫の侵入を徹底的に遮断したクリーンルーム環境で湿度・温度・二酸化炭素濃度が24時間厳密に管理されています。
菌類であるきのこに農薬(殺菌剤や殺虫剤)を散布すると、きのこの菌糸そのものが死滅してしまうため、栽培工程において農薬を使用することは構造的に不可能です。したがって、市販のきのこに「農薬の残留」を心配する必要はありません。市販品の根元に付着している茶色や黒い粉末は「土」ではなく、加熱滅菌された無害な木材オガクズ(培地)です。これらは包丁で切り落とすか、軽く払い落とすだけで衛生面の問題は完全にクリアされます。