専従者とは?家族給与を経費化する要件と損しない注意点【2026】

専従者とは?家族給与を経費化する要件と損しない注意点【2026】

専従者とは?家族給与を経費化する要件と損しない注意点【2026】とはどのようなものなのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

個人事業主の税務調査において、調査官が預金通帳と共に入念に確認する重点項目が「専従者給与の実態」です。家族への給与は利益操作に悪用されやすいため、国税側も疑いの目を向けてきます。現場で追及される否認リスクの核心は、「労務の対価としての妥当性」に集約されます。

国税不服審判所の公開裁決録や税務調査の現場データによると、専従者給与が否認されるケースには明確なパターンがあります。

「妻に毎月25万円の給与を支払っていたが、妻はパソコンをほとんど操作できず、帳簿付けも税理士に丸投げだった」「タイムカードや業務記録が存在せず、勤務時間を客観的に証明できなかった」「事業用口座から専従者の口座に給料を振り込まず、生活費口座へ適当に生活費として移転させていただけだった」——こうした事例は、実質的な労働実態がない「名ばかり専従者」と判定され、過去数年に遡って給与の全額経費算入が取り消されます。結果として本税の追徴に加え、悪質とみなされれば重加算税(最大40%)や延滞税が課される極めて重いペナルティへと直結します。

では、専従者給与の相場と適正額はどのように決めるべきでしょうか。所得税法第57条第1項では「その労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度、その事業に従事する他の使用人の給料並びに同種同規模の事業の専従者給与の状況等に照らして相当であると認められる金額」と規定されています。

実務上、専従者が事務作業や電話番、梱包作業などの補助的業務を担当する場合、近隣地域の一般事務パートの時給水準(時給1,100円〜1,300円前後)に実働労働時間を掛け合わせた金額がベースラインとなります。週40時間フルタイムで稼働する場合、月額18万円〜22万円程度(年額200万円〜260万円)が一つの安全な相場の目安です。もし配偶者に月40万円以上の高額給与を支給したいのであれば、配偶者が特別な技術・資格を保持していること、営業活動や顧客対応を一人で完結させていることなど、他社でも同等の高給を得られるだけの明確な職能証明が必要となります。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。