SNSや動画配信サイトのレビューにおいて、「このキーボードを買えば撃ち合いに勝てる」という言説が散見されますが、これは機材がもたらす効果の半面しか捉えていません。機材のポテンシャルを過信するあまり、陥りやすい2つの重大な盲点が存在します。
第1の盲点は、極端な感度設定による誤入力と精神的疲労です。アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの作動幅を最短の0.1mmに設定すると、キーの上に指を軽く乗せて脱力しただけでも入力とみなされる場合があります。結果として、静止したい場面で予期せぬ微小入力が発生し、かえってストッピング精度を乱すプレイヤーが少なくありません。
第2の盲点は、キーボードがエイムそのものを向上させるわけではないという厳然たる事実です。キーボードが担うのはあくまで「位置取り(ポジショニング)」と「射撃のための静止(ストッピング)」であり、照準を敵の頭部に合わせる手の動作はマウスの領域です。下半身の挙動が安定することで射撃チャンスは増加しますが、最終的なヒット判定を担保するのはプレイヤー自身の基礎技術である点を忘れてはなりません。