突発性難聴をはじめとする感音難聴の予後には、医学界で広く知られる「3分の1ルール」が存在します。適切な治療を迅速に開始した場合でも、「完全に治る人が3分の1」「難聴や耳鳴りが一部残る人が3分の1」「ほとんど回復しない人が3分の1」というシビアな現実です。
この回復率を可能な限り高めるための鍵が、発症後48〜72時間以内のステロイド治療開始です。内耳の有毛細胞は血流遮断や炎症に非常に弱く、治療開始が1週間以上遅れると、損傷した細胞の修復が著しく困難になります。
受診の判断に迷った際は、以下の明確な基準を参考にしてください。
- 即日・休日にでも救急・専門医を受診すべき状態:
- 突然音が全く聞こえなくなった、または極端に遠くなった
- 回転性のめまいや吐き気を伴っている
- 耳鳴りが激しく鳴り止まない
- 数日以内に必ず耳鼻咽喉科で聴力検査を受けるべき状態:
- 聞こえにくさは改善したが、耳が詰まった感覚(耳閉感)が残っている
- 低音(換気扇の音、男性の声など)だけが響いて聞こえる
- 同様の症状を過去数週間のうちに複数回繰り返している