本作の爆発的ヒットを語る上で欠かせないのが、池井戸潤原作・大泉洋主演のTBS系日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』の主題歌としての劇的な起用です。初回放送まで主題歌の存在が完全に伏せられており、第1話のクライマックスで突如流れた重厚な歌声は、SNSを中心に驚天動地の反響を呼びました。
主演を務めた大泉洋は、当時の特番インタビューや手記で「ドラマの現場でこの曲が流れた瞬間、キャスト全員の士気が跳ね上がった。理屈を超えて魂を揺さぶる力がある」と熱く証言しています。リストラ宣告を受けた落ちこぼれラグビーチーム「アストロズ」が、知恵と気力で巨大な壁を打ち破っていくドラマのストーリーと、米津の紡ぐ重厚なサウンドが見事な化学反応を起こしました。
さらに運命的だったのは、ドラマ最終回とほぼ同時期に開幕したラグビーワールドカップ2019日本大会との連動です。日本代表が強豪アイルランドやスコットランドを破り、史上初の決勝トーナメント進出を果たしたスタジアムには、自然発生的に「馬と鹿」が鳴り響きました。スポーツの勝利の美酒だけでなく、そこに至るまでの血の滲むような鍛錬と挫折を代弁する楽曲として、日本中の人々の心に深く刻み込まれたのです。