悪魔の詩訳者殺人事件の真相とは?五十嵐助教授が標的とされた理由

悪魔の詩訳者殺人事件の真相とは?五十嵐助教授が標的とされた理由

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五十嵐助教授の殺害は、孤立した突発事件ではありませんでした。『悪魔の詩』に関わった人物への襲撃は、国境を越えて組織的に展開されていたのです。

五十嵐助教授が殺害されるわずか9日前の1991年7月3日、イタリア・ミラノで同書のイタリア語版翻訳者であるエットーレ・カプリオーロ氏が自宅で何者かに刃物で刺され、重傷を負う事件が発生しました。カプリオーロ氏は一命を取り留めたものの、犯人は「イラン人」を名乗り、ラシュディ氏の居場所を執拗に問い詰めたと証言しています。

さらに1993年10月には、ノルウェー版の出版を手掛けたウィリアム・ニガード氏がオスロの自宅前で銃撃され重傷を負いました。同年にトルコで起きたホテル放火事件(スィヴァス虐殺)では、トルコ語訳を試みた作家アジズ・ネスィン氏を標的にした暴動により、37名もの犠牲者が出る惨劇となっています。

これらの国際的なテロの連鎖を見る限り、筑波大学での犯行も単独犯の凶行ではなく、背後に国境を越えた実行組織が存在していたことは明白でした。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。