Q1:『伊勢物語』第82段の「男」は本当に在原業平なのですか?
A1:『伊勢物語』の本文中では単に「昔、男ありけり」と記されるのみですが、登場する歌の多くが『古今和歌集』において在原業平の作として収められていることや、惟喬親王との歴史的事実の一致から、主人公のモデルは在原業平であると広く認められています。
Q2:「世の中にたえて桜のなかりせば」の「たえて」の意味は?
A2:副詞「たえて」は、下に打消の語(この歌では「なかり」)を伴うことで、「全く〜ない」「少しも〜ない」という意味になります。桜の存在を完全に否定する仮定を置くことで、逆に桜の圧倒的な存在感を際立たせる修辞技法です。
Q3:渚の院での返し歌「散ればこそ…」を詠んだ人物は誰ですか?
A3:『伊勢物語』では「ある人のまた詠みける」とあるのみで作者は明記されていませんが、一般には宴に同席していた紀有常(きのありつね)などの側近貴族、あるいは親王自身の思いを代弁する人物と推測されています。