目元の形状を決定づけるもう一つの決定的な要因が「遺伝」です。古典的な遺伝学においては、二重まぶたを形成する遺伝子が「優性(顕性)」、一重まぶたを形成する遺伝子が「劣性(潜性)」と説明されてきました。この理論に基づくと、両親のどちらかが二重の遺伝子を保有している場合、子どもに二重の構造が受け継がれる確率は理論上高くなります。
しかし近年の分子遺伝学および形態形成学の研究では、まぶたの構造は単一の遺伝子のみで決定されるのではなく、皮膚の厚み、眼窩脂肪の量、眼窩骨の傾斜、挙筋腱膜の走行パターンなど、複数の遺伝子が複合的に関与する多因子遺伝であることが判明しています。
両親がともにパッチリ二重であっても、皮膚が厚く脂肪が多い遺伝素因を受け継いだ場合、乳幼児期は「奥二重」として現れるケースは多々あります。逆に、両親が一重や奥二重に見えていても、骨格や皮膚の成長に伴って子どもが成長後にくっきりとした二重へと変化する事例も珍しくありません。奥二重は「二重の構造を持ちながら、皮膚や脂肪のかぶりによって控えめに見えている状態」であるため、遺伝的には二重の形質をしっかりと受け継いでいる確固たる証拠といえます。