吹奏楽関係者の間で「茨城の魔境」とも称されるのが、本選会場であるザ・ヒロサワ・シティ会館の大ホールです。1,500席を超える伝統的な多目的ホールですが、ステージ上と客席での聴こえ方に独特のギャップが存在することで知られています。
ステージ上は比較的デッド(残響が短め)に感じられるため、演奏者が響きを補おうとして過剰に息を吹き込み、結果として客席側では「硬く張り詰めたサウンド」として聴こえてしまうという音響上のトラップが存在します。代表を勝ち取ったバンドの指導者に取材すると、「練習室での音作りよりも、ホールの客席最上段でどうブレンドして届くかを逆算し、強奏部での息のスピードを意図的に抑えさせた」と語っていました。まさにハコの特性を熟知したサウンドデザインが勝因となっています。
一方、客席を取り巻く環境やネットの反応と評判まとめに目を向けると、ファンの熱気とともにシビアな声も散見されます。X(旧Twitter)や各種掲示板の動向を検証すると、以下のような生々しい書き込みが連日トレンド入りを果たしていました。
「〇〇高校の自由曲、鳥肌が立つほどの迫力だったのに代表落ち…納得がいかない」「ザ・ヒロサワの1階後方で聴いていたが、代表になった学校は木管の細かいパッセージの粒立ちが最後まで濁っていなかった」「全日本常連の常総学院は別格としても、2位以下の争いは審査員の好みの差と言われてもおかしくない紙一重の勝負」
また、現地観覧における実務面でも大きな関心が寄せられました。大会日程と進行タイムテーブルが過密を極める中、近年導入された電子チケットによる入場チケット販売詳細では、人気ブロック(高校A・中学A)が販売開始から短時間で予定枚数を終了。当日券を求めて早朝から並ぶファンの姿も見られ、真夏の熱気と相まって会場周辺は異様な緊迫感に包まれていました。