役員報酬として年間十数億円を得ていたZOZO時代と比較すると、現在の上場役員としての給与所得は控えめになっています。しかし、株式譲渡益の運用益やプライベートファンドからのキャピタルゲインを考慮すれば、近年の前澤友作の年収推移(実質的な年間所得)は、平均して数十億円から数百億円のレンジで激しく波打ちながら推移しています。
その富の再生産を牽引しているのが、自ら100億円を出資して設立した「株式会社前澤ファンド」です。このファンドは従来のベンチャーキャピタルとは異なり、前澤氏自らが伴走しながら社会課題を解決するスタートアップへ出資を行っています。前澤ファンドの主な投資先には、以下のようなユニークな領域の企業が名を連ねています。
- 宇宙・ディープテック:小型人工衛星開発や宇宙空間でのエンターテインメント事業
- 医療・ヘルスケア:遠隔医療プラットフォームや再生医療関連の先端バイオテック
- 地方創生・第一次産業:ITを活用した持続可能な漁業支援や農業スマート化プロジェクト
- マッチング・ライフスタイル:少子化問題に切り込む真剣な婚活マッチングアプリ事業
これら初期に投資したスタートアップがIPO(新規上場)やM&Aを果たすフェーズに入っており、回収された巨額のリターンがさらなる新事業の呼び水となっています。「稼いだ金を面白いことに使い、その熱量で人を巻き込み、さらに大きな富を生み出す」という前澤氏特有の循環サイクルは、いまや一つの自立した経済システムとして確立されつつあります。