ネット上のSNSや動画プラットフォームでは「ホーム画面を完璧に可愛くする裏技」としてアイコンの全面カスタマイズが推奨されがちですが、実用面における重大なトレードオフが語られることは稀です。
最大の落とし穴は、前述した「通知バッジ(未読件数)の消失」です。iOSのショートカット機能や一部の着せ替えアプリを介して生成されたアイコンは、本質的には「元のアプリを起動するためのブックマーク」に過ぎません。そのため、LINEの新着メッセージやメールの未読バッジがアイコン上に表示されず、連絡の見落としに繋がるリスクを孕んでいます。
また、色彩心理学およびUI人間工学の観点からも興味深い事実が判明しています。人間の脳は、アプリの配置場所だけでなく「ロゴ固有の色(LINEの緑、YouTubeの赤、Xの黒など)」を手がかりにして瞬時に起動操作を行っています。すべてのアイコンを完全な単色(モノトーンやパステルカラー)に統一した場合、アプリを探す視覚探索時間が平均で約1.4倍に増加するという実験データも存在します。
ただし、この「探しにくさ」は逆手に取ることも可能です。デジタルデトックスの文脈では、あえてアプリアイコンをモノクロ単色化することで脳へのドーパミン刺激を抑え、無意識にスマホを開いてしまうスクリーンタイムを抑制する手法として推奨されています。