耳の水が取れない!綿棒Ngの理由と表面張力を解く裏ワザ・受診目安

耳の水が取れない!綿棒Ngの理由と表面張力を解く裏ワザ・受診目安

耳の水が取れない!綿棒Ngの理由と表面張力を解く裏ワザ・受診目安に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

耳の不快感に耐えかねて、反射的に綿棒を耳の奥深くまで差し込んでしまう行為――これこそが耳鼻咽喉科医が最も強く警鐘を鳴らす危険行動です。

市販の一般的な綿棒の先端(綿球部)の直径は、外耳道の太さとほぼ同じか、わずかに小さい程度に設計されています。水で濡れて柔らかくなった耳垢がある状態で綿棒を深く差し込むと、水分を吸い取るどころか、まるでピストンのように耳垢をごっそりと鼓膜側へ押し込んでしまう結果になります。これが固まり、耳の穴を完全に塞いでしまう疾患が耳垢栓塞(じこうせんそく)です。一度押し固められた耳垢はセルフケアで取り出すことは不可能であり、無理にいじると鼓膜を圧迫して強い難聴や耳鳴りを引き起こします。

さらに深刻なのが、外耳道の皮膚組織に対する物理的ダメージです。耳の穴の入り口付近には皮脂腺や毛がありますが、奥の骨部は非常に薄い皮膚(わずか約0.1mm)が骨の上に直接乗っている極めてデリケートな構造をしています。焦って綿棒をゴシゴシと擦り付けることで皮膚に微小な裂傷が生じ、そこへプールや風呂の水に含まれる細菌(緑膿菌や黄色ブドウ球菌など)が感染して外耳道炎を発症します。

外耳道炎を発症すると、猛烈なズキズキとした痛みが生じ、耳たぶを少し引っ張ったり口を開閉したりするだけでも激痛が走るようになります。重症化すると耳だれ(膿)が溢れ出し、完治までに数週間を要するケースも珍しくありません。「水を取りたい」という一瞬の焦りが、重い耳の病気を引き起こしてしまうのです。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。