花材を購入したり受け取ったりした直後、最初に行うべき最重要作業が「水揚げ」です。植物の吸水機能を最大限に引き出すための基本テクニックが切り花水揚げ水切りであり、その実践方法一つでその後の花持ちが劇的に変化します。
水切りの基本は、深めのボウルやバケツにたっぷりと清潔な水を張り、茎の根元を水中に完全に沈めた状態でハサミを入れることです。水中でカットすることで導管への空気の侵入を完璧にシャットアウトし、切断の瞬間に水圧で導管内へ水を引き込ませます。
ここで極めて重要になるのが切り花長持ち茎の切り方の角度と道具の選定です。吸水面積を広げるため、茎に対して45度の鋭角に斜めにカットするのが鉄則とされています。斜めに切ることで切り口の表面積が真横に切る場合の約1.4倍に拡大し、花瓶の底に切り口が密着して水が吸えなくなるトラブルも防ぐことができます。
さらに見落とされがちなのが「ハサミの刃の切れ味」です。切れ味の鈍い工作用バサミや古い園芸バサミで押し切ると、植物の導管組織が押し潰され、細胞が破砕されて吸水不能に陥ります。必ずフローリストナイフや研ぎ澄まされた生花専用ハサミを使用し、一刀でスパッと切断することが長持ちの絶対条件です。