「生理中は絶対に妊娠しない」という言説は、医学的に明確な誤りです。確かに、標準的な28日周期において月経の初期に排卵が起こる可能性は低いとされています。しかし、人間の生殖システムは機械のように正確には作動しません。
妊娠が成立する最大の要因は、排卵日のズレと精子の体内生存期間の重複にあります。射精された精子は、女性の頸管粘液や子宮内で約3日〜最長5日間(場合によっては7日間前後)生存し続けます。一方で、ストレスや過労、睡眠不足、急激な体重変化などによってホルモンバランスが崩れると、予定よりも数日から1週間以上早く排卵が起きる「早発排卵(ショートサイクル)」が発生することがあります。
特に危険視されるのが生理終わりかけのセックスです。例えば、月経周期が24〜26日と短めの女性や周期が乱れている女性が、生理5日目〜7日目頃に避妊なしで性行為を行った場合、数日後に控えた排卵のタイミングまで体内で精子が生き残り、受精してしまう事例が数多く報告されています。「出血しているから安全」という思い込みは、予期せぬ妊娠を招く最大の盲点と言えます。