2000年代前半、妻夫木聡は立て続けにエポックメイキングな作品に出演し、平成のテレビドラマ・日本映画界を牽引する存在となりました。その代表作を振り返ると、彼がいかに多彩な表情を見せていたかが分かります。
まず業界内で大きな注目を集めたのが、2000年放送の宮藤官九郎脚本による伝説的ドラマ『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)』です。長瀬智也や窪塚洋介らが演じる強烈なキャラクターがひしめく中、妻夫木聡は池袋のヤクザ組織に属する少年「ヘビーE(サル / 斉藤富二夫)」役を熱演。鮮烈な金髪短髪姿と、どこか危うさを孕んだ切ない演技で強いインパクトを残しました。
そして2001年、映画初主演作となった『ウォーターボーイズ』(矢口史靖監督)が全国的な大ヒットを記録します。男子高校生がシンクロナイズドスイミングに挑む青春劇で、妻夫木聡は主人公・鈴木智役を担当。数ヶ月に及ぶ過酷なシンクロ合宿を経て、日焼けした肌と引き締まった身体、弾けるような笑顔で観客を虜にしました。本作で第25回日本アカデミー賞優秀主演男優賞・新人俳優賞を受賞し、名実ともにトップスターへと躍進します。
さらに2004年には、TBS系日曜劇場『オレンジデイズ』(北川悦吏子脚本)で柴咲コウとW主演を務めました。聴覚を失ったヒロインと心を通わせる大学4年生・結城櫂を等身大で演じ、手話を用いた繊細な感情表現と、夕暮れのキャンパスで見せる切ない表情が当時の若者の心を鷲掴みにしました。当時の髪型であるレイヤーの入ったナチュラルなミディアムヘアやカジュアルなアメカジファッションは、当時の男子大学生の間で一大トレンドとなりました。