現役の中村敬斗が欧州の最前線で戦う一方で、日本サッカーの歴史を創り上げた2人のレジェンドもまた、指導者・育成の現場で日本フットボールの未来を動かしている。
横浜FCトップチームコーチとして次代を磨く中村俊輔
現役引退後、中村俊輔は横浜FCのトップチームコーチに就任し、指導者としての道を歩み始めた。2006年のUEFAチャンピオンズリーグでマンチェスター・ユナイテッドを沈めた伝説のフリーキックは今もYouTubeや海外メディアで定期的に特集されるが、本人は自著やインタビューで一貫して「過去の栄光にすがるつもりはない」と言い切る。
グラウンドで見せる姿は現役時代以上にストイックだ。練習後には居残りの若手選手に対し、キック時の軸足の置き方、ボールを受ける直前の首の振り方をミリ単位で熱心に言語化して伝える。JFAのS級コーチライセンス取得を見据え、欧州クラブの育成現場を自ら視察するなど、世界基準の指導論を貪欲に吸収し続けている。
川崎フロンターレFROから日本代表スタッフへ、中村憲剛の知性
一方、2020年に川崎フロンターレ一筋の現役生活にピリオドを打った中村憲剛は、その明晰な頭脳を多方面で発揮している。川崎の「FRO(フロントリレーションズオーガナイザー)」としてクラブと地域を繋ぐ傍ら、JFAロールモデルコーチとしてU-17やU-20といったアンダー世代の日本代表指導に携わってきた。
メディアでの論理的かつ温かみのある解説はサッカーファンの間で圧倒的な支持を得ているが、彼の視線はすでに「監督」としての未来を見据えている。S級ライセンス取得を経て、指導者としての実践経験を着実に蓄積。ピッチ上の配置と数的優位を自在に操る現代戦術の申し子として、将来のJリーグクラブ指揮官、さらには代表監督就任を期待する声は後を絶たない。