かつて一部の芸能人やハリウッドスターに限られていた「カメラの前で自分を演出する」という行為は、現代において一般の人々にとっても身近な日常となった。特にYouTubeやInstagram、TikTokといったプラットフォームの隆盛は、人々の自己表現の形を劇的に変化させた。
近年、Netflixをはじめとするストリーミングサービスでヒットしている数々の医療ドキュメンタリー番組では、SNS時代の過激なインフルエンサーたちの精神構造が取り上げられる機会が増えている。再生回数や「いいね」の数が承認の物理的な数値として可視化される環境は、演技性パーソナリティ障害的な気質を持つ人々にとって、過剰な露出行動や炎上商法を煽る格好の温床となっている。
「バズるためなら手段を選ばない」「大げさな悲劇や誇張されたトラブルを自ら演出する」。こうしたインフルエンサーの行動パターンは、現代特有の病理とも言える。画面の向こう側にいる無数の観客から常にちやほやされていないと、自分の存在意義が消えてしまうかのような強迫観念。デジタル時代は、誰もが小さな「演技性パーソナリティ」を育みかねないリスクをはらんでいる。