平成31年硬貨の価値と買取相場|1円や500円玉プレミアの真相

平成31年硬貨の価値と買取相場|1円や500円玉プレミアの真相

平成31年硬貨の価値と買取相場|1円や500円玉プレミアの真相にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

ネット上のQ&Aコミュニティやオークション観察記事などで頻繁に引き合いに出されるのが、「昭和64年のコイン」との対比である。昭和64年はわずか7日間(1月1日〜7日)で終焉を迎えたため、当時も「絶対に高値になる」と全国的な買い占めや保管ブームが起きた。

しかし、貨幣史を検証すると、昭和64年銘の硬貨は昭和63年秋頃から平成元年3月頃まで製造が続けられていた。さらに1989年4月の消費税導入(税率3%)を控えていたため、1円玉は約1億枚、10円玉も約7,400万枚と大量に作られた経緯がある。その結果、市場に出回りすぎた昭和64年の硬貨は現在でも額面通りの価値にとどまっており、古銭店でも買取拒否される事例が通例となっている。

では、平成31年は昭和64年と同じ轍を踏んでいるのかというと、構造が大きく異なるポイントが1点ある。それが「電子マネー・キャッシュレス決済の普及による少額硬貨の製造抑制」である。

2019年当時の日本社会はすでにQRコード決済や交通系ICが急速に浸透し、1円玉や50円玉を市中に新規投入する必要性が激減していた。そのため、造幣局は平成31年の1円玉を通常発行せず、収集家向けセットに限定した。つまり、昭和64年とは真逆に「平成31年の1円玉と50円玉だけは、物理的な絶対数が意図的に絞られた本物の希少貨幣」となったのである。この構造的な違いを把握していないと、「平成最後だから何でも価値がある」という浅薄な誤解に陥ることになる。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。