萩市内で焼き鳥を求める際、まず押さえるべきは「地元食通が愛顧する個人経営の専門店」と「海鮮も揃える総合居酒屋」の棲み分けです。とりわけ舌の肥えた萩市民から絶大な支持を集めているのが、炭火の火入れに一切妥協しない頑固な職人が営む隠れ家店舗です。
代表格として名前が挙がる店舗では、県内屈指の銘柄鶏である長州どりを朝引きで仕入れ、店主自らが1本ずつ手打ちを行っています。臭みがなくジューシーな脂の甘みが際立つ長州どりのモモや皮は、備長炭の強火で外をカリッと焼き上げ、中はふっくらとした肉汁を閉じ込めるのが萩流の技術です。地元醸造元の甘口醤油をベースに数十年間継ぎ足された秘伝ダレをくぐらせた焼き鳥は、観光客が抱く大衆居酒屋のイメージを軽やかに覆します。
席数がカウンター数席と小上がり数卓という小規模店舗が多く、一度席が埋まると回転を待つのが極めて難しいのが萩の夜。予約なしで飛び込んでも満席で断られるケースが後を絶たないため、旅程が決まり次第すぐさま席を押さえる初動が欠かせません。