ボクシングファンの誰もが一度は妄想する「クロフォードとメイウェザーはどっちが強いのか」という問い。この仮想対決の勝敗を予想する上で最大のポイントとなるのは、試合序盤の主導権争いとアジャスト(適応)能力の差です。
メイウェザーの真骨頂は、卓越した動体視力と距離感に裏打ちされたディフェンス技術です。相手のパンチの軌道や呼吸を数ラウンドで見切り、中盤以降は相手に空振りをさせ続けてフラストレーションを溜め込ませる戦術を得意としていました。マニー・パッキャオやサウル・カネロ・アルバレスといった歴戦の猛者たちも、メイウェザーの張り巡らせた見えない罠にかかり、決定打を奪えないまま完封負けを喫しています。
対するクロフォードは、相手の出方を観察しながら徐々にギアを上げ、中盤から後半にかけて致命的なカウンターを叩き込んで仕留める冷徹なフィニッシャーです。右構え(オーソドックス)から左構え(サウスポー)へ自然に切り替えるスイッチ能力は歴代でも随一であり、対戦相手は常に異なるアングルからの強打を警戒しなければなりません。
仮に両者がウェルター級のリミット(147ポンド)で戦った場合、判定勝負であればポイント奪取に長けたメイウェザーが僅差で逃げ切る可能性が高く、試合中にメイウェザーのリズムを破壊してストップに追い込む力を持っているのはクロフォードであるという見解が、米メディアをはじめとする専門家の間でも根強く支持されています。