2002年の登場当時、このマシンは街乗り重視のストリートトラッカーとして若者の絶大な支持を得た。しかし、そのデザインの骨格を辿ると、1970年代に一世を風靡した伝説のデュアルパーパス「250F11」にたどり着く。ハイアップフェンダー、アップハンドル、そしてスリムな燃料タンク。まさに伝統的なスクランブラーの黄金比が、現代の日本のオートバイ産業の文脈で見事に再構築されていたのだ。
単なるファッションバイクにとどまらない骨太なフレームワークとシンプルな構造。それが2026年代後半の今、時代を超えて現代のスクランブラーカスタムの最高峰のベース車両として返り咲いた理由でもある。鼓動感あふれる空冷単気筒エンジンが奏でるサウンドは、アスファルトの上でも荒れたダートでも、ライダーの冒険心を激しく揺さぶる。