ネット史に刻まれた殺人配信のニュースまとめを振り返ると、世界中に衝撃を与えた代表的な事例として、2019年にニュージーランド・クライストチャーチで発生したモスク銃乱射事件が挙げられます。犯人はアクションカメラを装着し、礼拝中の人々を無差別に襲撃する様子をFacebook上で約17分間にわたり生中継しました。この映像は瞬く間に複製され、事件発生から24時間以内に約150万件の関連動画が削除されるという未曾有の事態へと発展しました。
また、アメリカでは怨恨や家庭内トラブルの末に犯行を配信する事例や、強盗殺害の過程が意図せず映り込むといった配信事故・凶悪事件の理由が複数報告されています。日本国内においても、雑談配信やゲーム配信の最中に暴力トラブルへと発展し、結果として警察が突入する事態が生中継されるなど、生配信特有のリアルタイム性が惨劇を可視化させてしまうケースが後を絶ちません。
これらの事件に共通する生中継の真相は、犯行そのものが「見られること」を前提に設計されていた点です。従来の犯罪が隠蔽を目的としていたのに対し、殺人配信ではスマートフォンのレンズが共犯者のような役割を果たし、全世界の不特定多数を強制的に目撃者へと仕立て上げました。