日本語は、言外の空気や「察し」を重んじるハイコンテクストな文化だ。一方、英語圏は基本的に言葉そのもので論理を組み立てるローコンテクスト文化とされる。しかし、ここには大きな落とし穴が存在する。
例えば、ビジネスの場でイギリス人が放つ「That is an interesting proposal(それは興味深い提案ですね)」というフレーズ。直訳すれば褒め言葉に見えるが、実際には「全く受け入れがたい」「的を外している」という遠回しな拒絶であるケースが少なくない。あるいは、アメリカ人が言う「We should catch up soon(近いうちに話そう)」も、具体的な日程を指さない挨拶に過ぎないことが多い。言葉の表面的な意味と、発話者の真意との間にある「温度差」。この行間を読み解けないことこそが、多くの人を困惑させるのだ。