読売ジャイアンツの象徴であるミスターのブランド価値は、スポーツ界のみならず日本の文化財とも言える規模を誇る。その商標権や著作権、資産を管理するために設立されたのが「オフィス長嶋」だ。
一時期、有希氏はこの組織の中心人物として、父の商標管理や外部からのオファーを吟味する重責を担っていた。過熱する取材陣や商業的なアプローチから父を守り抜く防波堤となった彼女の姿勢は、時に身内や周囲との摩擦を生むこともあったという。読売新聞などの大手メディアが報じる公式なコメントの裏で、彼女は「ミスター長嶋茂雄」という巨大な存在の価値を毀損させないため、冷徹なまでに現実的な経営判断を下していたのだ。