2023年3月24日に放送された最終話「虹とポケモンマスター!」で提示された結末は、バトルでの勝利を追い求めてきた多くの視聴者に深い感動と哲学的思索をもたらしました。
サトシは長年のライバルであるシゲルから「チャンピオンになった君は、どこまでポケモンマスターに近づけたのかな?」と問いかけられます。その問いに対し、旅の終盤で雨宿りをする木の下、サトシはピカチュウにこう語りかけます。
「チャンピオンはゴールじゃない。俺にとってポケモンマスターっていうのは……世界中のすべてのポケモンと友だちになることなんだ」
このセリフこそ、初代シリーズ構成・首藤剛志氏が初期プロット時代から問いかけ続けた「ポケモンと人間との共生とは何か」に対する、26年越しの答えでした。バトルで誰かを打ち負かすことではなく、目の前にいる見知らぬポケモンと心を通わせること。サトシはマサラタウンへ戻った後、再びピカチュウの手を取り、ボロボロのスニーカーで名もなき分かれ道を歩き出します。それは「引退」という名の立ち止まりではなく、永遠に終わらない友だち探しの旅へのリスタートだったのです。