この不可解な現象が始まったのは1998年生まれのジェームズ・ライニンガーがわずか2歳を迎えた頃でした。米ルイジアナ州に住むブルースとアンドレア夫妻の長男として生まれたジェームズは、夜な夜な激しい夜驚症(やきょうしょう)に襲われ、「飛行機が燃えて落ちる!出られない!」とベッドの上で手足をバタつかせて絶叫するようになります。
当時、絵本の飛行機に異常な執着を示していた幼子は、ミニチュアの戦闘機を机に叩きつけて激突させる遊びを繰り返していました。母親が機体の腹部にある膨らみを指して「燃料タンクね」と声をかけると、幼いジェームズは即座に「違う、それは増槽(ドロップタンク)だよ」と専門用語で訂正したと伝えられています。さらに自身を撃墜した敵を「日の丸をつけたジャパニーズ」と呼び、自分が搭乗していた航空母艦の名前を「ナトマ・ベイ」、当時の戦友を「ジャック・ラーセン」と名指ししたのです。
厳格なクリスチャンであり、教義上「輪廻転生」を一切信じていなかった父ブルース氏は、息子の発言がでたらめであることを証明しようと退役軍人会や公文書の記録調査に乗り出しました。しかし、そこで判明したのは、実在した護衛空母「ナトマ・ベイ」に配属され、父島沖(硫黄島作戦の一環)で戦死した青年パイロット、ジェームズ・マコーネル・ヒューストン・ジュニア(当時21歳)の経歴と、息子の語る細部が不気味なほど一致していたという事実でした。