ファンの視線が注がれる最大の焦点は、金字塔である通算2000安打の大台だ。あと一歩のところまで迫りながら、怪我や起用法、限られた出場機会という厳しい現実が幾度となく立ちはだかってきた。だが、本人の口から弱音が漏れたことは一度もない。
早朝の室内練習場。誰もいない空間に響く乾いた打球音は、若手時代と何ら変わらない。身体の細かな変化に耳を傾け、ミリ単位でフォームを微調整しながら、自らの技術をアップデートし続けている。周囲が騒ぎ立てるマイルストーンを、彼自身は通過点と捉えているのかもしれない。打席に立ち、結果を出す。その愚直な積み重ねの先にしか栄光はないことを、誰よりも身体で理解しているからだ。